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勉強机の椅子に座ったままのひ~さんに近づき、近くのベッド端に座ると
ひ~さんがもっと寄越せと右手を出し、オレは袋口を向ける
「あの時のからひ~さん仕切り屋だったね、モンスターママに意見する姿は忘れらんないな」
「あったなそんなの、ただムカついてキレただけだけど。俺は嘘つきじゃ無い! って」
オレはキレる前にビビったけどな
ひ~さんってそこが凄いんだよ
「モンスターママの子供、アイツなんて名前だっけ?」
「小学校前に親の転勤かなんかで引っ越したよな、俺も名前は出てこない」
「あの後は遊び仲間にはなったよな~」
「確か家近かったはず」
公園で遊んで、アイツが転ぶとスッ飛んでくるモンスターママ
「学校が苦労しそうな母親だよな」
「言えてる~、でも納得すれば良い人になったよね~」
事実を認識すると、知恵実さんに謝り
アイツに謝る様叱ったらしい
「誰でも最初の印象だけじゃ分かんないもんだな」
「だね! ひ~さんは一緒にいるほど深い物が出てくるし~」
「俺は噛めば噛むほど味がでるスルメか?」
「近い感じ!」
ひ~さんは真面目で、良く知らない人には面白みが無い人に見られがち
でもノリ良くオチャメな事もしてくれる
中肉中背でいつも背の順で並ぶと列の真ん中、細くて強そうに見えない
実際は、1人で本が詰まった本棚を動かした事もある怪力を持ってる
外見は不細工では無いけど目立たない、直毛で黒い髪を長めのショートカットに切り
一重のまぶたでさっぱり系の顔立ちは優しく、穏やかな印象
怒らせなきゃその通りなんだけどね
「俺がスルメなら、カズはビックリ箱かな?」
「へ~、その心は?」
「中身が分からないからビックリさせられる」
「そうなの?」
「本当に発想が斬新なんだよ、何回びっくりしたか。ひ~さんって呼んで来るし」
「びっくりしたの?! それにびっくりだよ!」
あれは本人もテンパってびっくりだったけど
「まぁ、あだ名も面白いと思ってたな」
「アハハ! それでちょっと考えてたんだ」
成長して覚えてるのは少しだけ
だけどきっとボケても忘れない
そして、老人になってもひ~さんと友達のまま
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