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ある小学生の夏の日。
川で溺れている近所に住む女の子を見つけた。
助けに川に入ったら、女の子は助けられたけど僕は溺れて死にかけた。
助けた後、僕の両親と女の子の両親にゲンコツをもらい沢山怒られた。
助けた女の子は、僕に対して、バカ!とだけ言った。
ある高校生の秋の日。
高校の帰り、通り魔に襲われそうになっている近所に住む女の子を助けた。
助けに入ったら、幸い女の子には傷一つなく、僕の背中に通り魔に切られた消えない傷痕が残った。
通り魔が捕まった後、僕の両親と女の子の両親に、殺されるんじゃないかと思うほど怒られた。
助けた女の子は、僕に対して、バカバカ!とだけ言った。
ある社会人の冬の日。
夜道で飲酒運転の車に轢かれそうになった近所に住む女性を助けた。
その代わり僕が轢かれてしまい、左足を失う事になった。
病院で僕の両親と女性の両親に、流石男だな、と褒められた。
助けた女性は、ずっと入院している僕に付き添い涙声で、ごめんなさい、とだけ言った。
僕の近所に住む幼馴染みは、三度助けてもありがとう、と言わなかった。
僕は僕が轢かれた日、渡すつもりだった指輪を差し出し、愛してる、結婚してくれ、と言った。
すると彼女は、涙で顔をくしゃくしゃにしながら、ありがとう、と言った。
僕に抱きついてぐずる彼女にキスをして、愛してる、と言うと、またありがとう、と言ってくれた。
退院後、結婚式での誓いのキスの時、小声で妻になる幼馴染みだけに聞こえるように、愛してる、と言うと、小声でありがとう、と返してくれた。
それから僕が愛してる、と言うと、妻はいつもありがとう、と返してくれる。
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