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太陽の光が川の水面に反射してキラキラと輝く。その川を、銀色の剛毛を生やした巨大な狼が丘から見下ろしていた。
丘の上では、白い着流しを着た一人の青年と、紺色の着流しを着た中年の男が向かい合っている。
「本当に抜かないつもり? 弟子君」
中年男が不安気にそう問いかけた。弟子の青年は自身の師匠を鼻で笑う。
「えぇ」
その言葉に、師匠と呼ばれた男は刀を抜く。赤い鞘から抜かれたその刀身は、太陽の光を浴びて輝いている。
弟子はそれを、ただただ棒立ちで見つめ。
【はじめっ!!】
大狼の声が、丘に響くと同時に、師匠は弟子に素早く斬りかかる。
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