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男は私に見られているのに気づいたのか更に声を張り上げた
「おい女!こんな所で何をしていると聞いている!俺をじろじろ見てなんなんだ!」
「はっ!すまない不快な思いをさせたのなら謝る、すまなかった」
「別に構いわしねぇがテメーみたいな女がここへ何しに来た!名をなのれ!」
「相手の名を聞く前にそちらが名乗るのが筋であろう?」
男はしばらく私を睨み
口を開いた
「剛(ゴウ)だ…」
「私は阿部柊だ」
「なら柊!お前はここに何をしに来た」
「私か?私はこの紅雅丘に住まう鬼を倒せと徳川家に命じられて来た」
「まだ十七の娘を鬼退治に徳川家がか?はっはっは!!徳川家も鬼をなめたもんだ」
剛は腹を抱えて笑い出した
「女だからと見くびるでないぞ!!」
柊は近くにあった岩目掛けて拳をぶつけると岩は砂の如く砕けていった
剛は一瞬驚いた顔をしたが面白そうに私を見つめていた
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