736人が本棚に入れています
本棚に追加
「ここに来るってことはよほどのことがあって来たんだろうな」
鈴木の言葉にはじめは口を固くした。だが鈴木ははじめの表情を見て、すぐに悟った。
「緒方さんと本当にそっくりだな。何かあるとすぐに表情に出るところ」
はじめはハッとした。
このメジャーリーガーには何もかもお見通しだった。
「少し付き合え」
鈴木がそう言うと、鈴木は歩きはじめた。はじめはその行動の意味を理解できずにいたが、とりあえず鈴木の後をついていくことを決めた。
鈴木に案内されるがままに、はじめは鈴木の車に乗り込んだ。フェラーリの助手席に乗る。高級車独自の空気もあってか、はじめは緊張を隠せずにいた。
「どうせのオフだ。今日はお前の話を聞かせてもらおう」
突然の誘い。普通に有り得ない話だ。
世界の鈴木とまで呼ばれるトッププレイヤーが貴重なオフを一人の少年に付き合うなど到底考えられない話だ。
最初のコメントを投稿しよう!