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「始まった」
光はギュッと強く手を握って沈む太陽を睨み付ける。
「…ひかるー」
撫で声で呼ぶ声に、光は真剣な顔をすぐに、やんわりとした顔に戻すと、声の主に笑いかけた。
「なぁにー?宏ちゃん」
「きもっ」
「ひどくない?!」
ちょっとツンとした彼は一番の親友
「何してたのー?」
「んー?…えっとね、太陽にほえろ」
「…」
「わー!やめてよーもう!そんな冷たい眼で俺見るの」
「大ちゃん帰ろー」
「待ってよー!」
夕日に背を向けた
そう…自分は
「絶対に守るから」
「ん?何か言った?」
振り返った宏太の表情に、光は優しく微笑んだ。
「いや、何も」
「変な光だな、伊野尾も昨日から体調不良で休んでるし」
宏太は口を曲げて寂し気に言う。
「俺、元気だよ?」
「俺つまんなーい、みんな遊んでくれなーい」
「時間空いたら遊んでやるから!じゃ、俺帰るわ」
「あ、光君…俺も!じゃあね、薮君!」
「……おっ…おい!!何だよ、大ちゃんまで」
宏太は少しふて腐れて、1人で帰路につく…
「やーぶ君」
「高木なんだし」
「一緒帰ろ♪」
「きもいから笑」
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