小さなちから

5/7
前へ
/7ページ
次へ
若い木の神さまが、しっかと大地にしがみつきました。 「地震を止めよう!」 大地にゆかりのある神さまたちが必死に大地を抱きしめました。 「わかった、海はまかせろ」 たくさんの海の神さまも、川の神さまも水の神さまも、海に向かって走って行きました。 小さな九十九神たちが、ちぃちゃんの周りを取り囲みます。 諦めずにちぃちゃんに呼びかけ続けます。 「ちぃちゃん、逃げるんだ!」 ちくちくしてみても、泣いているちぃちゃんは気がつきません。 ごごごと不気味な音がしてきてちぃちゃんは泣きやみました。 いえ、聞いたことのあるその音に固まってしまったのです。 大きな揺れがちぃちゃんを襲いました。 大地の神さまたちは頑張りましたが、地震が来るのをホンの1秒遅く出来ただけでした。 九十九神さまたちは必死にちぃちゃんを瓦礫の傍から押しましたが、九十九神さまたちよりうんと大きすぎるちぃちゃんを動かすことは出来ません。 それでも、ほんの数ミリちぃちゃんを瓦礫から離すことが出来ました。
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加