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そしてもう一人の背の低い女の子も口を開いた。
「それにしてもアッくん、記憶喪失?しちゃってから性格ぜんぜんちがうなー。エミリびっくりだよ!」
と、言いながら上半身を起こしていた体勢で伸ばしていた俺の足にまたがってきた。
アッくん?多分俺のこと…なのか?
「えっと、この子は?」
俺は男性に聞いたつもりだったのだが、先にこの子が答えた。
「エミリだよぅ!もー!忘れちゃやだよー。アッくん、はやく記憶喪失なおして思い出してー!」
「えっと…エミリちゃん?」
とりあえず聞いた名前を呼ぶ。
「そうだよー」
にっこり笑顔だ。
「そいつはお前のこと、アッくんって呼ぶが、おまえの名前はアレクだからな」
やはり、さっきの女性が言ってた「アレク」とは、俺の事だったみたいだ。
「そういえば言ってなかったが、俺はエッジ。さっきの女はリースだ」
なぜか「リース」という名前だけは知っているような気がした。いや、気のせいだ。
エッジさん、エミリちゃんと話していると突然、扉が開きリースさんが入ってきた。
「記憶を戻すための手がかりになりそうなもの、もってきた」
リースさんは俺に近づき、一冊のノートを差し出した。
「アレク、これを読んでほしいの」
ノートの表紙には「日記」と書かれていた。
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