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地下に眠る、大きな城の中の子供部屋で、小さな少年が扉を必死にたたく音が響いていた。
「こわいよ!!ここから出してっ!!」
「グルルルゥ…」
少年と同じ部屋にいるポケモンは牙をむき、隅のほうから少年を睨み付けていた。
「そのポケモンは、人間から虐待を受けて攻撃的になってしまったのだ。Nよ、そのポケモンとトモダチになり、心の傷を癒してあげなさい」
部屋の扉の向こうから、大人の男性の声が聞こえた。
「…、でもっ。待って!行かないで!!」
扉の向こうの足音は遠くへと消えて行った。
それから数年後、ある草むらでトレーナーと野生のポケモンがバトルをしていた。
「よし、今だ!」
トレーナーはモンスターボールを投げて捕まえようとした。ボールは何度か揺れ、そして止まった。
「よっし!チョロネコ、ゲット!こいつは攻撃力が高かったからな。鍛えれば良い戦力になりそうだ」
「おめでとう、ブラック」
近くにいた女の子が声をかけた。
「あ、ホワイト。いたの?」
「さっき偶然そこを通ったからね。ねぇねぇ、何匹捕まえたの?」
ブラックは自分のポケモン図鑑を開いて見せた。
「へえー。結構捕まえてるのねぇ。私はちょっと偏っちゃったかな」
ホワイトも図鑑を開いた。
「…。ふーん、もしかして可愛いやつばっかり?」
「えへへっ。図鑑埋めなきゃいけないのは分かってるんだけど、ま、後でもいいかなって。アララギ博士には内緒ね」
「はいはい、わかったよ。今からポケモンセンター行くけど、ホワイトはどうするの?」
「じゃ、私もついてく!」
ブラックとホワイトは近くのポケモンセンターに向かった。
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