4人が本棚に入れています
本棚に追加
荷物を取りに教室へ向かう途中、廊下で現代文の教師に会った。
「こんにちは」
「おお服部。こんな時間まで生徒会の仕事か、ご苦労さん」
「いえ、書類に目を通していただけですから」
「校内に残っているのはもうお前だけだと思うぞ。気をつけて帰れよ」
「竹井先生はまだ帰らないんですか?」
「いや、俺も見回りが済んだらすぐに帰るさ。今夜はテレビでサッカーの試合をやるからな」
「でも、こんな天気じゃ今日は中止じゃないですかね」
「…そうか?――まあいいや。お前も寄り道せずに早く帰れよ」
「はい、失礼します」
頭を下げて立ち去る僕を、現代文の教師はなぜか不思議そうな顔で見送った。
最初のコメントを投稿しよう!