月詩

3/6
前へ
/34ページ
次へ
見れば、教室の戸が少しだけ開いていた。 チョットした恐怖と妙な後ろめたさを感じつつ、そこから中を探ってみることにする。 見慣れた教室も、数センチの隙間から覗くのではいつもと印象が違って見えた。 ましてや窓の外は季節などお構いなしに雪が降っているのだから違和感すら覚える。 と、窓際の真ん中の机に腰を掛けてその景色を眺める女子の姿があった。 後ろ姿だけで顔はわからないが、やはりウチのクラスの女子ではないようだ。 こんなにハッキリと見えるのだから、幽霊というわけでもあるまい。 他のクラスの女子だろうか?     ◇  ◇  ◇ それはありふれた、小さな小さな恋物語 貴方は私の密かな想い 気づかないまま幸せな日々を送る でもそれは変わらぬ想い 永遠に変わらぬ想い それでも貴方は私の想い 気づかないまま幸せな日々を送る それはありふれた、小さな小さな恋物語     ◇  ◇  ◇
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加