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小林が嘘やろ?という表情で跳び起きた
僕らはその瞬間に、終わった…と思った
「中谷ぃ!オラァ!!」
夜明けの一室で小林の怒声が響き渡る
その声で中村も目を覚ました
しかし、当の本人はまだ気付いていなかった
…ここがトイレではないことを
小林は鬼の形相で中谷の胸ぐらを掴み
「お前何コンポに小便しとんねん!」
その言葉でようやく中谷が我に返り
「あっ!」
と、いう声とともに、一気に顔が青ざめ出した
そして小林に
「…ごめん」
「どうゆうことやねん!お前、俺にケンカ売ってんのか!?」
小林が友達に対して、ここまでマジギレした姿を見たのは、後にも先にもこの一度だけであった
そして中谷が
「ごめん、トイレと間違えてん…」
(トイレと間違えた)
僕はそのフレーズを耳にした瞬間に吹き出しかけた
だが、このシリアスな場面で笑う事は出来ないと思い、フトモモの裏を思い切りつねる事により、難を逃れた
隣を見ると、酒井がうつむきながら体が小刻みに震えていた
(酒井…お前もか?)
さらに小林の怒声は続く…
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