伝説のバレンタインデー

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3時間目は体育の授業だ 体育の授業は2クラス合同で行われるので、隣のクラスの男子が僕らのクラスに着替えにくる。反対に僕らのクラスの女子が、隣のクラスに行く… 僕は隣のクラスの友達と喋りながら着替えていると、突然叫び声が聞こえた 「うおぉぉぉぅぅ!!」 クラス中の男子がびっくりして、その声の方向に顔を向けた 僕はすでに叫び声の主は分かっていた そう…あいつだ 「なんやねん小林、いきなりでかい声出して?」 「ちゃ、ちゃうねん…みんな聞いてくれ。今な、机の中を見たらこんなん入っててん」 そう言いながら、小林が三つのチョコを手に持ち頭上にかざした 「おぉ!」 「すげぇ!」 「チョコやん!」 歓声が響き渡る (こ、小林…お前ってやつは) 僕はこの時、生まれて初めて人を哀れんだ 「あっ!?」 小林がまたわざとらしく大声を出した 「どうしてん?」 「まさかまだチョコあるん?」 「ちゃ、ちゃうねん…チョコに手紙が挟まってるねん」 「おぉ!」 再び歓声とどよめきが響き渡った (…あんたまさか? 手紙まで書いたんか? …あんたそれ、マンガの世界やん) もう彼の暴走を止める事は出来なかった
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