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小林が手紙を開き読み出した
【小林先輩、ワタシは一年の女子です。いつも一年の校舎から先輩を見ています。よかったらチョコ食べて下さい】
「おぉっ!」
またもやどよめきが
「小林、それ誰やねん?名前書いてへんのか?」
「名前?…書いてへんわくそ~」
「惜しかったなぁ小林」
(おいおい、あんたら、ちょっと冷静になって考えてみろよ。本命チョコだぞ。普通名前書くやろ?みんなの前で、なんの躊躇もなく手紙を読み出すのも不自然やろ?内容も中途半端やし。そもそもこの時間まで気付かへんてどうゆうことやねん)
「小林カッコイイ」
「すてきよ小林君」
僕はあの時、拳を思いきり握りしめていたのを、今でもはっきりと覚えている…
その後小林は、体育の授業中、そして4時間目も男子生徒からの羨望の眼差しを受けていた
しかし昼休みに小林の身に信じられない出来事が
おこる
キーンコーンカーンコーン
4時間目が終わり昼休みに入った
それと同時に男子が小林を取り囲んだ。そして、一人の男子生徒が女子に向かって
「おい女子!お前ら誰か小林にチョコ渡した奴いるか?」
小林の顔が一瞬歪んだ
もう言わなくていいって!と、いう表情だ
するとクラスの女子が
「はぁ?あげるわけないやん」
と、軽く流された
小林はホッとした表情をみせた
だがここから、小林の幸せだったはずのバレンタインデーが、もろくも崩れ落ちることになる
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