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僕らは山本が帰ったのを確認した後に、大迫に近づいた
「何をやってんねんお前?」
「普通は看板隠すやろ?ヘルメットにも書いてるし、山本~!何してんねん!って、お前が何してんねん」
大迫はへこみ面で
「全然おもろないやん」
(お前が言うなや!)
さらに大迫が続ける
「悔しいから俺、人間棄てるわ。じゃあ今日は帰るわ」
と、突然大迫が駅に向いて歩きだした
僕らは衝撃を受けた
なんと大迫はヘルメットを被り、看板を手に持ったまま駅に歩いていった
しかも
「パーッ パッパーッ パッパッパッパパパッパ…」
西城英樹のYMCAのイントロを口ずさみながら歩いている
僕らはとても大迫の半径5メートルの中に入る事が出来なかった
駅に着いて定期を取り出して僕らに
「ヤングマン割引ないんかなぁ?」
と、10メートル位離れた場所から声をかけてきたが
「ププッ」
僕らは必死に他人のふりをした
さすがに帰宅ラッシュ前で人が増えてきたので、大迫は恥ずかしくなったのか、看板を駅のゴミ箱に棄て、ヘルメットを取るときに
「お疲れ様でした」
と、小声で言い残し電車に乗り込んでいった
僕らは大迫の後ろ姿がやけに淋しく感じた
その日以来、大迫は遊びを企画するのをやめた
結局今回の伝説は山本ではなく、大迫本人が伝説になってしまった
伝説のラブレター
完
~~ヤングマン哀愁編~
作詞作曲:プリティ真嶋
ヤングマン割引ないんですか?
だからヤングマン割引ないんですか?![image=68856983.jpg](https://img.estar.jp/public/user_upload/68856983.jpg?width=800&format=jpg)
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