195人が本棚に入れています
本棚に追加
/77ページ
山道に入ると同時に
キュルルルッ!!
ヴォーーン!!
激しい音が響き渡る
すると小林が
「来たで来たで~。このサウンド~。でへへ~、たまりまへんな~。なぁキノちゃん?」
「…………………」
僕は聞こえないふりをした
山道の途中に広い駐車場があり、そこに走り屋が集まってくる
「おぉ、キノ!小林!」
「おぉミドやん!」
僕らの前にバイトの先輩の緑川さんがやってきた
緑川さんも走り屋で、車はマツダのロードスターに乗っている
「ミドやん、俺とバトろうや」
「はぁ?俺に勝てるのはセナだけやぞ」
(…はぁっ。俺とお前らの温度差を感じてくれや)
すると緑川さんが
「キノ、俺の車乗れ」
「はっ?何でですの?」
「小林にハンディやらなあかん。キノが乗ったらちょっと重くなるから、ちょうどいいやろ」
それを聞いた小林が
「あっ?上等や!このケントデリカットメガネ野郎!」
「お前…それは先輩に対して、いくらなんでも言い過ぎやろ」
「うっさいケンデリ!さっさと勝負すんぞ!」
「略すな!…キノ、助手席に乗れ」
「…はいはい」
最初のコメントを投稿しよう!