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車は交差点に近づくにつれ、小林の声のトーンが変わっていった
「…キノちゃん。
ちょっとスピード速いんちゃう?」
「…キノちゃん、減速しなあかんのちゃう?」
「…スピードがさ……速いよね……キノちゃん?」
そして間もなく交差点に差し掛かった
その時のスピード約80キロ
「キノちゃん、やばい!このスピードはやばい!ブレーキ踏んでくれ!」
僕もその声でやばいと感じたが、パニクっていたため、とんでもない返答をした
「ブレーキってどこにあるねん!!?」
「………………えっ?」
僕はそのスピードのまま交差点に進入し、ブレーキは踏まず、ハンドルだけを切った
その時だった
助手席から小林の聞いたことのない悲鳴が聞こえた
「ブレーキ!ブレーキ!ブレーキ!ブ、ブ、ブレーーキ!!ブレー…あぁ~~~っっ!!!」
ガッシャ~~ン!!?
…やってしまった
車は分離帯に乗り上げ、生えてる木に激突した
「…ぃたた」
僕はやってもーたという表情を浮かべた
しかし隣にはもっとパニクった男の姿があった
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