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その男は僕の方を向き
「おい!?おい!?おい!?おい!?おい!?…お~~~~い!?」
僕はこの瞬間、小林の中に、大仁田厚やアニマル浜口や江頭2:50が乗り移ったのかと思い、思わず笑ってしまった
「ププッ。…ごめんな」
「マジで!?マジでぇ!?代車はやばいって~!」
しかし小林は僕に対してキレる事は出来ない
なぜなら…
「…俺が無理やり運転さしたからやけどさぁ…
ブレーキ踏むやろ普通?」
「小林、人間はな…パニクったらほんまに分からんようになるぞ」
「…JAF………呼ぶわ」
そう言った小林の目は、また死んでいた
結局代車を廃車にしてしまい、小林は代車の代車を借りていた
それ以来、小林は走り屋から足を洗い、車もトヨタのマークツーに乗り換え、普通に公道を走るようになった
…十年経った今も、小林のあの悲鳴は耳に残っている
あの事件で分かったこと
人間はパニクるとブレーキを忘れてる
そしてパニクった人間は
同じ言葉を繰り返し連呼する
本当はぶちギレしたいところだが、自分のせいなのでキレる事が出来ず、煮え切らない表情は…おもしろい
伝説のクラッシュ
完
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