伝説の男……の、親父

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「キノ!飲まんかい!」 「…いや、ちょっと酒はまだはや…」 「ワシは三歳から飲んでたど!ほんで五歳で女を抱いた!」 (絶対嘘やん!?ぜっっったい嘘や!!) 「五歳でって、そんなんありえないでしょ?」 「キノ!」 「はい!」 「男は言うたもん勝ちや!」 「えぇ!?」 小林が僕に話し掛けてきた 「俺も昨日、下着ドロボーしたで」 「それ犯罪!それは犯罪!」 「キノちゃん、言うたもん勝ちや~ん」 「お前…酔ってんのか?」 再び馬が 「キノは何歳で何をやったことあるねん?」 「…えっ?」 (ひょっとしてボケなあかんの?) 「キノ!お前は何歳で…」 「分かりました!分かりました!…僕は昨日、女湯覗きました」 「なに~!キノ!お前それ犯罪やないか!」 「キノちゃん、ありえへんわそれ!」 (この親子は…!?) 結局、その後もいじられまくり、酒も飲まされ、最悪な一日だった 帰り際に馬が 「キノ!お前は軟弱な奴や思ってたけど、ほんまは軟弱な奴やってんなぁ」 (…突っ込んだ方がいいんか?) 「でへへ~。キノちゃん、また明日も遊びに来てな~?」 「…………」 そして僕は家に帰った家に着いて自分の両親を見て (俺はなんて幸せ者なんだ) と、嬉し泣きをした それからも小林家に行く度に、ラーメンを食べ、酒を飲まされ、親子の暴走劇を見させられた 「軟弱やの~」 このフレーズは十年経った今も、脳にこびりついている 五年以上会っていないが、多分相変わらずやっていることだろう お馬さん…いろいろとありがとうございました! 伝説の男……の、親父          完
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