スタート

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聖は誰も座っていない椅子を持ち上げた。 「どけ!鷹矢!康太!」 鷹矢と康太は聖の姿を見てすぐにどいた。 聖は椅子の脚を持ち、思い切り窓にぶつけた。 ドガッ!!! 鈍い音が教室に響き渡った。 しかし窓は傷一つついていなかった。 「ちくしょう。ダメか。」 聖は持っていた椅子を床においた。 にしても、これじゃあホントに出れないのか……?どうすれば良いんだ? 「ねぇみんな!ちょっと時計見て!!」 そう叫んだのは皐月だった。 みんなの目線が時計に移る。 俺はなんで皐月が叫んだか一目で分かった。 時刻が進んでいた。それもかなりの時間が。 ただいまの時刻、午前11時30分 俺達は10時に集合し、二宮の質問やら教室から出れなくなったやらで、すでに1時間半も進んでいた事になる。 まずそんなことは有り得ないはずだ。
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