12人が本棚に入れています
本棚に追加
聖は誰も座っていない椅子を持ち上げた。
「どけ!鷹矢!康太!」
鷹矢と康太は聖の姿を見てすぐにどいた。
聖は椅子の脚を持ち、思い切り窓にぶつけた。
ドガッ!!!
鈍い音が教室に響き渡った。
しかし窓は傷一つついていなかった。
「ちくしょう。ダメか。」
聖は持っていた椅子を床においた。
にしても、これじゃあホントに出れないのか……?どうすれば良いんだ?
「ねぇみんな!ちょっと時計見て!!」
そう叫んだのは皐月だった。
みんなの目線が時計に移る。
俺はなんで皐月が叫んだか一目で分かった。
時刻が進んでいた。それもかなりの時間が。
ただいまの時刻、午前11時30分
俺達は10時に集合し、二宮の質問やら教室から出れなくなったやらで、すでに1時間半も進んでいた事になる。
まずそんなことは有り得ないはずだ。
最初のコメントを投稿しよう!