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「いつもここはこんなに人がこないの?これで大丈夫なの?」
案の定、女性が心配顔で聞いてきた。
「こんなことは珍しいですよ。ここに来て3ヶ月になりますけど、こんな状態はまだ2回目です。いつもはちらほらですけど、常連さんがきてくれていますから。」
ムキになるとまではいかないけれど、けんはいつもよりおなかに力を入れて主張した。
「そっかあ。そーだよね。さっき常連さんからけんくんってよばれてるっていってたものね。
まだ3ヶ月なんだね。すごいよね。料理、すごくうまいんだもん。
これはもうどこでもやっていけるんじゃない?
何故ここを選んだの?」
成り行きで…と言おうとして、けんは一瞬ためらい、言葉を変えた。
「このお店の雰囲気かな?なんとなく自分にぴったりな感じがして。」
言ってから、言葉を選んだつもりが逆に墓穴を掘ったようになってしまった感があり、、、
成り行きで…にしておけばよかったと思った。
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