プロローグ

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「さっきけんくんは、院長にこれ以上迷惑をかけたくないから断ったと言ってたけど、きっと相手はそんな風には思っていなかったと思うよ。 けんくんが愛していた人なら、院長らも同じ思いだったに違いない。 そんな時は甘えてもいいんだよ。 それよりも、きっと、けんくんがどうするのかをすごく心配しているはずだよ。 お世話になったんなら、心配をかけるものじゃないよ。 落ち着いてからでもいいから連絡をしてあげなよ。」 店長はまたやさしく微笑んでそう話してくれた。 けんは、声にならない声で返事をした。 涙が溢れてとまらなかった。 そういえば、今まで誰にも言えなかったことを全部、今日はじめて会った店長に話していた。 何故なのかそれはわからない。 不思議と安心できる空間だったからかもしれない。
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