ペットボトルの中の姫君。

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すまないが、聞きたいことがある。 なんでそんなとこに? そんなの狭いとこに居座って。 楽しいかい? 楽しいよと涙目で言ったって 説得力は皆無。 強がんなよ、ペットボトルの中の姫君よ。 右手に皮肉 左手に優しさを持って 透明のケースに入った姫君よ。 壁(ペットボトル)で歪んだ君の頬を撫でて 僕は言うだろう。 “君の事が大好きだ。” でも君には届かないだろう。 実は分厚い壁は僕の言葉をたべてしまう。 でもわかっている。 だから僕はこの壁を壊して 君に伝えに行くよ。 迷惑かい? 立ち入るなって? ならそこから出て 僕に抱きしめられることだ! そうすれば君の中まで行かないよ。 脅迫に聞こえるかい? そうだろう。 僕は君を脅迫している! でもね、 そこから出ない君は 僕を待っているんじゃないかい? 君の両手には武器がある。 史上最強の武器! それで出るんだ姫君よ。 そうすれば君は強がりじゃなくて 本当に強くなれるんだよ。 無理だったら言ってよ? 僕が助けにいくから。image=403789904.jpg
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