涼介くんの誤算

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  走り去ってしまったゆうとくんのいない教室は、 なんて冷たいんだろうと思った。 それはきっとゆうとくんにしか興味がないから。 こんな苦しいと感じたのは…きっと告白のときくらい。 髪をくしゃくしゃと掻き混ぜて、バッグを手に取る。 そうだよ、今日は記念日だ。 別なことに気を取られてすっかり忘れてた。 「最低だ…」 確かに忘れてたうえに、一緒に帰れないなんて怒るのも無理ない。 今回は俺が悪い。 ゆっくりとした足取りで教室を出ると、 周りの子たちが驚いた目を向ける。 なんだよ、見んなよ。  
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