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「無理、任せらんない。何されるかのか怖い」
「いーからいーから」
無表情でそう伝えても、
にまーっとあの気持ち悪い笑みで返してくるだけだ。
小声でやり取りする僕達に気付くものは誰もいないらしい。
教室を見渡しても、みんなそれぞれのことをしていた。
もちろん涼介くんは寝ている。
そう、まさにそのタイミングでこの糞教師鈴木はとんでもないことを言いやがったのだ。
「あ、そーいえば俺見ちゃったんだよなぁ。お前と隆之介が抱き合ってるところをさー」
「は?」
この静まり返った教室で、ポツリといつもの五倍の声量で
わざとらしく言った鈴木の言葉は響くのが当たり前で。
それと同時にみんなの唖然とした表情が教室に浮かび上がり、
その五秒後に涼介くんが起き上がった。
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