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どうしたものか。
はぁ……とため息をついて、さりげなく後ろを振り向く。
後ろの席の涼介くんは今日の授業もいない。
先生は半ば諦め気味で、
もはや涼介くんの居場所を聞かなくなった。
たまーにしか授業に出ない涼介くんは、
毎回テストでそこそこいい点を取ってしまうから何も言うことがないって言うのもあると思う。
それにしても……涼介くんがいない授業はつまらない。
僕の中で涼介くんのいない世界は、
色がついていないのと同じことである。
はぁ…………
「おーい、なかじまー、中島ゆうと。山田がいなくてため息をついてるお前にこれやるよ」
「は?」
前を向くと、
にやーっと企んだ顔をしている糞教師、鈴木が手招きをしていた。
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