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切なそうで少し低くて、
僕の大好きな声が耳をくすぐった。
ねぇ、涼介くん。
僕こそ馬鹿だからこの行為期待しちゃうよ。
「馬鹿じゃないじゃん、涼介くん」
「本当は俺が助けたかった。ゆうとくんが倒れるとき。見てたよ」
「………うん」
「出るに出れなくて隠れちゃったけど。
顔赤くしてるゆうとくん見て腹立った」
「………うん」
涼介くんの言葉を聴く度に、
涙はとめどなく溢れ出てこの人が大好きだと思った。
愛しいと思った。
今の季節は春で、ベンチの近くにある木は桜の木で。
花弁が頬をくすぐる。
「何か仲良さそうにしてるし、本当何なのゆうとくん」
「そんなつもりはなかったんだよ、涼介くん」
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