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なんだか楽しそうに笑う涼介くんに釣られて笑ってしまう。
「笑いごとじゃない」って言って、
後頭部を涼介くんの胸に押しつけられた。
「冷たくしてごめん」
「僕こそ無神経でごめんね」
「さっき怖がらせてごめん」
「全然怖くなかったよ」
「こらっ」と頭を叩かれて、
上を向くとふんわりと笑う彼の顔。
幸せだと思う。
「これは夢かな、ゆうとくん」
「夢じゃないよ、涼介くん」
「泣いてもいいかな」
「もう……すでに泣いてるよ」
ぼろぼろと涙を流す涼介くんがそこにいた。
涼介くんの大粒の涙が僕の頬を伝った。
涼介くんは泣き顔すら綺麗で。
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