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とある一日。
今日も後ろで涼介くんは眠っている。
本当にあの時から、授業をさぼることはなくなっていた。
なんだかそれが愛しくて。
眠っている間にそっと髪の毛を撫でていることは内緒だ。
今日も少し涼介くんの髪の毛に触れると、
いつもと同じようにふわふわしてて安心する。
どうやったらこんなにふわふわになるのかな。
どんだけ時間かけてるんだろう。
ふと前を向くとアイツがいる。
今の時間は、あの忌々しい糞教師……鈴木の授業だ。
僕の視線に気づいたのか、
視線を僕に合わせると、困ったように眉を八の字にした。
あの一件から僕が鈴木を避けているのを、本人も分かっているからだろう。
目をずらすと、鈴木がゆっくり僕に近づく。
なんだ、なんだこの威圧感。
今度は何をされるんだ。
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