鈴木の謝罪

2/8
前へ
/47ページ
次へ
  とある一日。 今日も後ろで涼介くんは眠っている。 本当にあの時から、授業をさぼることはなくなっていた。 なんだかそれが愛しくて。 眠っている間にそっと髪の毛を撫でていることは内緒だ。 今日も少し涼介くんの髪の毛に触れると、 いつもと同じようにふわふわしてて安心する。 どうやったらこんなにふわふわになるのかな。 どんだけ時間かけてるんだろう。 ふと前を向くとアイツがいる。 今の時間は、あの忌々しい糞教師……鈴木の授業だ。 僕の視線に気づいたのか、 視線を僕に合わせると、困ったように眉を八の字にした。 あの一件から僕が鈴木を避けているのを、本人も分かっているからだろう。 目をずらすと、鈴木がゆっくり僕に近づく。 なんだ、なんだこの威圧感。 今度は何をされるんだ。  
/47ページ

最初のコメントを投稿しよう!

910人が本棚に入れています
本棚に追加