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「何のことですか?」
「えぇ!もらってねーか?隆之介から!」
大げさなんだよ、リアクションが。
いちいち癪に障る。
まぁそれでも別に鈴木のことは嫌いじゃない。
気遣わなくて楽と言えば楽だ。
そんなことを思いながら、白い封筒の存在を確かめる。
確かあの悲劇の日に…………渡された、気が……
ガサゴソとファイルの中から出てきた白い封筒。
それを見て胸を撫で下ろす鈴木。
え、これ、鈴木の所有物?
「これ、鈴木のなの?」
「お前ついに呼び捨てにしやがったな。
ちげーよ、それはお前らにやるよ」
はぁ…と大げさにため息をついたかと思えば、
「一か月くらい前にあげたのに、まだ開けてなかったのか」と呟いた。
そうか、あれから一カ月無視してたわけだから、
ずっと封筒の存在を伺うチャンスがなかったわけだ。
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