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高校生活にも少し慣れた1年の終わり、私は一人の女の子と仲良くなっていた。
出逢いとは唐突で、その子とは、部活帰りの電車で必ずと言っていいほど一緒になる隣の高校の女の子。
偶然降りる駅まで一緒だった。
一目惚れ…とは少し違う、言い表すのが難しいが、私は、彼女の雰囲気に惹かれていた。
話しかけたきっかけは…
友人の一言
『彰、あの子泣いてない?』
『男やったら慰めないと!!』
何故かは分からないが彼女は泣いていた。
そして何故だか分からないが私が慰めにいくとなってしまった。
だが彼女に好意ではなく、興味があった私は話しかけた。
『大丈夫?』
『………大丈夫です』
今にも消え入りそうな言葉を残し、彼女はいつもの降りる駅ではなく、話し掛けた時に停車した駅で降りて行ってしまった。
走り去った彼女を目で追いかけた時、心の中で私は〔何か〕を感じていた。
それが何なのか?その時の私には分からなかった。
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