出逢い~2005年3月~

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それからいつも私が降りる駅にて、その〔何か〕が気になった私は、彼女が来るかもしれないと思い待っていた。 この時の私は、本当は彼女に好意を抱いていたのかもしれない。 30分程経過し、彼女は現れず、家に帰ろうと思い、ふと空を見上げた。 この時の空は、未だに鮮明に思い出せる。 月も星すらも見えず、ただ真っ暗で孤独というもの感じさせる空だった。 空を見上げた瞬間 『さっきはありがとう』 この真っ暗な空間に、不似合いな柔らかい声が背後から聞こえた。 『いや、…ただ単に泣いてる姿が気になってね。唐突に話しかけてごめんね。』 我ながら、唐突に背後から話しかけられ、よくぞ冷静に受け答えが出来たなと思うぐらいスムーズに会話が出来た。 彼女の方を振り向き、私は唖然とした。 頭の中で〔何故?〕が連呼し続ける それは彼女の口角辺りと膝から血が出ていたからである。 真っ暗にも関わらず、頭の中は、真っ白に包まれた。
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