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「おい、チビ。聞いてんのか。」
予測しない、がき大将との遭遇に固まっていると、いじめっ子が口を開く。
「そ、そうだよ。」
少し怯えながらも強気に返す少年の言葉でいじめっ子の表情がニヤニヤと見てるだけでも嫌悪感を表すほど、意地汚いものに変わる。
「おい、チビ。
俺にお金を寄越せ。
でないとぶん殴るぞ。」
簡潔な要求に分かりやすい脅し文句。
少年はいよいよもってマズイと感じる。
自分より大きな体格のいじめっ子から逃げるのは無理だ。
かといって喧嘩をするのはさらに無謀とも言えるのは明白で大人しく従うしかないが自分の身は守れる。
しかしこの選択肢が頭の中に浮かんでいるのだが少年はイライラしていた。
もし普段なら大人しく従うのだが今は大人でも参る暑さに加え降り注ぐ太陽熱とその熱で焼けたアスファルトから返ってくる熱気の中を走ったため血圧が上がって体に熱が溜まりそれにより膨れ上がる感情をアイスを買うことで抑えていたがいじめっ子の思わぬ邪魔に今にも感情が爆発しそうなのだ。
こうなっては例え相手がガキ大将でも恐怖は消える。
「嫌だ!!」
少年に拒否されるとは思っていなかったのか意地汚いニヤニヤ顔が一瞬驚愕に染まり、徐々に顔が真っ赤になり表情が歪む。
「このやろう!!」
激昂したいじめっ子の大きな拳が少年の頬を正確に捉える。
キツイ一撃を受け、少年の体が吹き飛ぶ。
痛い、口の中が切れた。鉄の味が口いっぱいに広がる。
体が大きいとはいえ小学生とは思えぬパンチ。
このいじめっ子は、この拳で自分の思い通りにいかない子を無理矢理、従わせてきたのだ。
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