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「え、う、う~ん。
イロイロと気になる所があるんだけどひとまず君がそう言うなら信用するよ。」
得体の知れない見えぬ声の主のじいさんの存在自体にまだ疑いを持つも、俺のフードからの信用が大きいようだ。
『何か引っかかる言い方じゃが、それも後で話そう。
それより早よう村人の避難を急がんと奴らが戻ってくるぞ?』
確かに奴らが逃げてからそれなりに時間が経った。
盗賊たちが体制を建て直す前に行こうとしよう。
「すまん、俺はあいつらを追うから後は頼む!」
「分かった、任せてよ!」
フードの了承も得たことだし、盗賊たちが逃げた方向へ少し走ってから一度だけ、足を止めて振り替える。
《クゥゥ…》
フードに抱えられたケルと目が合うが、どの首も俺を見て目に不安が宿っている。
「俺は大丈夫だ。
そこのフードと一緒に村人たちを頼むぞ。」
俺から声をかけられたケルは不安そうな目から一転。
村へ行く前の俺と向かい合ったときと同じ勇ましい表情になる。
フードの胸から飛び下り、俺に向かって元気よく吠えて俺を送り出す。
《バウ!!》
その声を聞いて俺も俄然やる気が出てきた。
さて…アレを試して見るか…
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