奴隷達の英雄

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~鉄器の国~ エレフはアルカディアへ侵攻する異民族と同盟を結んでいた 『将軍、オリオンと言うアナトリア王子がアルカディア弓兵の将となったそうです その力は凄まじいとか…』 『……そうか』 オリオン? 弓の名手? オリオン、どうやらお前は敵のようだな… アルカディアとアナトリアは同盟を結んでいるはずだ その国の王子なら、アルカディアに協力するのもうなずける もう旧友ではない ただの敵だ ~アルカディア~ 誰もが静まり返った夜、宮殿へ忍びこむ 『ミーシャの敵ッ!!!』 オリオンの放った矢がアルカディア先王を貫いた ッ!!? 『……お、前は...オ、リオン…か?』 苦しみに歪む顔でオリオンを見上げる 『…先王陛下、私をお忘れではないのですね ミーシャを何故殺したのですか? 死ぬ前にお教え下さい』 涙が頬を伝う 『ミー、シャ…? 誰…の…こと、だ?』 誰のこと? ふざけるな… 『あなたの娘です 知らないはずがありません』 『……ミー…シャ? すま…な、かった、お、前には…父親ら、しいこ…と、何、一つ…で、き』 そう言い終わる前に先王はその場に倒れ込んだ 本当に何も知らないようだ 口から吹き出す血は、オリオンの足元を汚していく オリオンには理解できなかった 何故、ミーシャでなく私に謝るのですか? 私を奴隷に売ったのに… 今更、父親なんて言葉… もうあなたの息子ではないのですよ 私はアナトリアの王子です
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