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『失礼する』
夜中、レオンティウスはスコルピオスを訪ねた
『王…
こんな真夜中に如何なる御用ですか?』
『オリオンのことを少し聞きたくてな…』
部屋には2人きり
レオンティウスを狙うには絶好のチャンス
スコルピオスは剣に手をかけた
奴を殺せば、次の王は私だ
剣をぬき、レオンティウスに襲いかかる
だが、どこからか飛び込んできた影がその刃を止めた
『スコルピオス殿下、剣をお納め下さい
これは、王への大逆罪です』
『…カストル、貴様、どこからッ!!…グッ』
『私がこの部屋に隠れてるよう、カストルに命を出したのだ
スコルピオス、もういい…
お前が王になりたがっていたのは知っていた
だが、私を裏切っては欲しくなかった
何故、我が弟を…、オリオンを殺したのだ…』
レオンティウスはスコルピオスに剣を突き立てた
『……』
ミーシャとエレフの身代わりに連れてこられたオリオン
血も繋がってないのに、よくもそこまで想えるものだ
スコルピオスは何も答えずにその場に倒れ込んだ
レオンティウスの手から剣が滑り落ちる
涙が溢れていた
また失ってしまった
王族とは悲しいものだ
それでも私は、王という立場を退くことはできない
これもまた、私の運命なのだろう
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