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『王、御命令を』
レオンティウスに選択肢はなかった
戦うしかないのだ
『レグルスはバルバロイに備えろ
ゾスマはアマゾンに備えろ
カストルはイリオンヘ私と共に…』
イリオン…
アメティストス率いる奴隷部隊のいる地
戦わなければ…
~アルカディア宮殿~
『レオンティウス、イリオンヘいくそうですね
あの者と戦ってはなりません』
『何故です、母上』
『神託が……
神託があなたの死を示しています』
『分かっています
それでも…、死すべき者達が私を待っているのです』
先日授かった神託
それはレオンティウスが英雄としての死をとげる、というもの
全ての英雄達が死ぬ代わりに、戦いは終わりを告げる
母上、申し訳ありません
それでも…
私に逃げることはできません
この国の王は自分なのだから
例え死ぬことになったとしても、戦いを終わらせます
『いかないでおくれ!あの者は…』
あの者と戦ってはいけない…
あの者は、
あなたの弟なのですよ…
母の言葉が終わる前にレオンティウスはその場を走り去っていった
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