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「あぁもう!わかったから!なんか知らないけど許すからぁ~だから顔上げてよ…こんなとこ見られたらなんて言われるかわから……」
無事許されたことに喜び、なぜか少女から言葉が無くなったことを不思議に思った俺は顔を上げて少女を見た。
「……あの、どうしたんですか?」
土下座している男のセリフではないのだが、まるで電源を抜いた掃除機のように動かなくなった少女を見て聞かざるを得なかった。
「あの……」
「…………」
少女は黙って俺を見ていた。
いや、正確には俺の後ろ、さっきまで俺が歩いていた住宅街の方を見ていた。
「はっはっは~いつから君は男の子に土下座させるくらいの性悪女になったんだい?僕は今から君の将来が怖いよ」
俺の背後から、少女の見ていた住宅街の方から突然男の声がした。
俺が驚いて土下座の体制のまま後ろを振り向くと……そこには白い30代後半くらいのオッサンが両腕を抱いて立っていた。
「あ、あんた…何でよりにもよってこんな時に戻ってくるのよ!!」
「おいおい酷いな華憐ちゃんパパに向かってあんたはないだろ~どうせならあなたって呼んでくれ」
パパ!?このオッサンがこの子、え~と華憐のダディなのか!?それだけでも衝撃的な事実なのだが、それ以上に驚くことがある…
このオッサンとにかく白い!
髪も肌もYシャツもズボンも挙げ句靴までもおろしたての新品のように白かった。
唯一瞳だけは茶色で、最初外国人かハーフかと思ったが顔つきは日本人のそれで、髪の毛も染めた感じはなくまるで生まれた時からその色だったかのようだった。
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