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「なぁ…!ちょっと華憐ちゃん!!僕まだ指輪見つけて―――」
火球が迫っていることに気づいたらしく後ろを振り返り慌てて何かを言おうとしていたコウちゃんだが…
彼の言葉を最後まで聞くことはなかった。
変わりに聞こえてきたのはドオォォンという爆発音と額の汗をやりきった感のある顔で拭っている華憐のふぅ…という満足した声だけだった。
「…………」
この女の子何者?てゆうかなんで指パッチンで手から炎が出んの?あれ?コウちゃん生きてんの?
数え切れないほど疑問は抱くがこの状況に混乱してるせいか聞きたいはずなのに声が出せず餌を欲する金魚のように口をパクパクさせていることしか出来なかった。
「…さてと」
プスプスと煙の出ているコウちゃん(生死不明)から目を離して、華憐は俺に向かって言った。
「あんたも炭になりたくなかったら答えなさい?…あんたはここの生徒?」
「………(ブンブンブン)」
否定する以外で俺に選択肢があるだろうか?
すると華憐は今度は額に手を置いてはぁ…とため息をつきながら言った。
「やっぱりね…」
え?あの……それって
「あんたの今してる指輪…どっかで拾ったやつでしょ?」
……バレテーラ
なんてどっかの格闘技みたいな名前を言ってる場合じゃない!
消し炭になるか否かのこの状況…打開するために一体俺は何をすればいいんだ!?
よく考えろ真琴!今俺に出来る最善の行動を!
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