113人が本棚に入れています
本棚に追加
「あの……、あなたは一体、誰なんですか?」
「私か?私は神様じゃよ」
「か、神様ぁ?!」
神様というその響き。頭の中でハッキリと聞こえる声。理屈では説明できない現象に俺はたじろいだ。
「……か、神様が俺になんの用ですか?!」
俺は半信半疑に頭の中で聞こえる声に問いかけた。他人の目にはイヤフォン付きの携帯電話で会話しているように映っているだろう。
「まったくお前という奴は、呆れてモノも言えんわ!この日本の、いや、地球の非常事態に何を悠長にパチンコなどをやっておるのじゃ!」
「す、すいません……」
神様のもっともな意見に謝るしかない。俺は一人でペコリと頭を下げた。他人が見れば、俺の携帯電話の相手はイヤミな上司か、融通のきかない取引先だ。
「お前には役目がある。私はそれを告げにきたのじゃ」
青天の霹靂。
神様からのお告げ。
「や、役目?!」
「そうじゃ、日本を救う大事な役目じゃ」
ちょっと待ってくれ!突然の神様からのお告げ。入閣発表並みだ。国の一大事は分かるが、俺では役不足だ。というより、何かの間違いだ。
しかし、頭の中で神様の声が聞こえるという超常現象なだけに、妙な説得力がある。背中に冷たい汗が流れた。
最初のコメントを投稿しよう!