神様

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「よいか、本来ならのう、お前自身が自分で気付くべきだったのじゃ」 「き、気付くって何にですか?」 「お前自身が神様だという事にじゃ」 「そ、それは何かの、間違いではございませんか?!」 重大発表に言葉が不自然にかしこまる。 「間違いではない。お前は神様じゃ」 「そ、そんな事を突然、言われても……」 たしかに神様には憧れる。 神様は全知全能。 ところが、 俺は平々凡々。 器が違う。 絶対に無理でしょう。 「俺には荷が重すぎます……」 俺がため息をつくと頭の中の声もため息をついた。 「何もお前だけではないのじゃ。人にはそれぞれ神様が宿っている。人だけではない。石にも木にも、この世の中に存在する全てのモノに神様は宿っているのじゃ。お前は神様で、お前の妻も、総理大臣も、皆、神様じゃ」
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