プロローグ

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世界を創造するのは神の仕事だ。 34歳。既婚者。子供はいない。職業、会社員。唯一の趣味がパチンコで、風呂上がりのビールが何よりのご褒美。 私は神。 アダムとイヴ。 この名前は日本人の私にはしっくりこない。太郎と花子だ。私がアメリカ人ならトムとナンシー。 ある日、太郎と花子が禁断の果実を食べた。 禁断の果実って何だ? イメージではリンゴ? 私の住まいが青森ならリンゴでもいい。和歌山ならミカンで、愛媛なら伊予柑だ。しかし私の故郷で代表的な果実は柿だ。 だから、 ある日、 太郎と花子が柿を食べた。 ただ、 聖書のように悲劇は起こらない。 なぜなら、 神は、 平和を心から願う、 「私」だからだ。 神は自分の外側にはいない。自分の内側にいるのだ。私は私の世界の神であり、あなたはあなたの世界の神なのだ。 人の数だけ世界がある。 多次元宇宙。 それが宇宙の仕組みだ。 地球は丸くなどないのだ。
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