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節電ムードの中、煌々と輝くパチンコ屋のネオン。 パチンコ屋の扉が開くと耳をつんざくような音が聞こえてくる。 食い入るようにパチンコを打つ客達。 パチンコする金があるなら募金しろ!この非国民が! 俺は自分の事を棚に上げて、蔑んだ目で店内を見渡した。 神様、 仏様、 もし本当にいるのなら俺に幸運を。十万円勝ったら一万円募金する事を誓います。俺は、なけなしの一万円札を投入した。 一万円を募金するために一万円を使う。なんだか支離滅裂だ。 投入口に吸い込まれる福沢諭吉が笑っている。 その微笑みは、 お馬鹿な俺を笑っているのか? それとも、 勝利をもたらす幸運の笑みなのか?
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