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「よしっ!全員出来たな?次は魔法での攻撃をしてもらう」
黒田はそう言うと生徒が誰も居ない方を向き、その方向を全て凍らせた。
氷の柱がいくつも立ち上がり、一瞬にして世界が変わる。
「お前達もあと一年もすればこのくらいは出来るようになる」
そんな生徒達に黒田が珍しくそんな励ましの言葉を口にする。
「すげぇ…何だよこれ…」
一人の男子生徒が驚いたように口を開く。
一年後に自分がこんなことをしているのか。
学園を卒業したらほとんどの生徒が魔術軍に入る。
一部は魔術の研究をする者もいるがほとんどが魔術軍で魔物の討伐などの任務にあたる。
魔法は強力であればあるほど有利だ。
そんな中、最初に紗耶がその方向に向かって魔法を放った。
紗耶の手の平の方向がガシャッと音を立てる。
紗耶は黒田が作った氷の塊を一瞬で砕いていた。
「み、見えなかったぞ…?」
悠貴はそう呟く。
それは見たことのない魔法だった。
「よし、どんどんやれ」
黒田は腕を組みながら近くにあった氷の塊に座る。
「ハァッ!」
一人の男子生徒が魔法を放つ。
それを皮切りに次々と魔法が放たれる。
しかし、紗耶以外に誰一人として氷を砕けない。
さすがはトップ合格と言ったところか。
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