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「何者だ!?」
閑静な住宅街の中にある一つの家。
そこで怒鳴り声が響いた。
それは真夜中の出来事。
何者かがその家の中に侵入していた。
覆面を被り、顔を隠している。
その家に住んでいた男は拘束の魔法を準備し、構える。
一方侵入して来た者はナイフを構え、今にも男を刺し殺さんとしていた。
「俺を何者か知ってのことか?」
男は侵入者に対して静かにそう尋ねる。
しかし侵入者は何も答えなかった。
「あなた…」
すると隣の部屋から男の妻が騒ぎを聞き付けてきたようだった。
「隠れてろ!コイツはただ者じゃない!」
男が叫んだその時だった。
ザクッ!
表現し難い嫌な音がした。
その直後、男の妻が音もなく倒れる。
「き、貴様ぁ!」
男の妻が他に潜んでいた者によって心臓を貫かれていた。
侵入者を蹴散らし、妻を抱き起こす男。
「しっかりしろ!…っ!?これは!?」
男が居るすぐ下の床が怪しげな光りを放つ。
それは移動の魔法だった。
「くそぉっ!」
身体が動かない。
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