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「悠貴君なんかとは何だ!」
案の定悠貴がそれにつっかかる。
「あっ、痛い!引っ張らないでよぉ!」
悠貴は由美子の特徴である長めのツインテールを軽く引っ張る。
「さっきも言っただろ!?俺は神によって」
バシッ!
「いってぇぇえ!」
「女の子の髪を引っ張らないの!」
騒ぐ悠貴の頭をひっぱたいた愛。
「女とは思えない怪力ハンドだ…」
「誰が怪力だって?」
由美子の乱れたツインテールを直しながら愛は悠貴を睨む。
悠貴は大人しくなってしまうのだった。
「直樹さん、叫鳥はよく出るんですか?」
耳が隠れるくらいの、男子にしては長い髪を持った章がそう尋ねる。
「いや、今まで叫鳥が出たことなんてなかった…出たとしても地震虫くらいだ」
直貴の言葉に全員が耳を傾ける。
「そもそも叫鳥はこの辺りには棲んでない」
「じゃあどうしてここに?」
疑問に思った由美子が直貴に尋ねる。
「叫鳥にとってこの近辺がここ最近で棲みやすい環境になったか、或は別な何かが叫鳥を移動させたか…」
「兄ちゃん何か知ってるのか?」
叩かれた頭を抑えながらそんなことを尋ねる悠貴。
悠貴は兄の様子から何か感じとったようだった。
さすがは兄弟といったところか。
「確かな情報じゃないが、ある犯罪組織がこの学園の何かを狙ってるらしい」
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