634人が本棚に入れています
本棚に追加
学園のホールの中は在校生と新入生で埋め尽くされていた。
一つの学年に約千人の生徒がいる。
つまり四年制のこの学園には約四千人の生徒が居ることになる。
そんな中で入学式がゆっくりと進んでいく。
ステージ上には“新堂学園入学式”と大きく掲げられていた。
…すっげぇ……なんなんだこりゃっ…?
悠貴は見上げながら驚愕していた。
天井が高い、床から30メートルはある。
白と黒だけで統一されたホールの中は高級感で溢れていた。
入学式は校歌斉唱と学園長挨拶と順調に進み、終盤に差し掛かっていた。
眠い…帰ったら寝よ…
「新入生代表挨拶、桐生紗耶【きりゅうさや】」
「はい!」
悠貴が心の中でそんなことを考えていると、悠貴と同じクラスの女の子が可愛いらしい声をあげる。
美しい黒髪を靡かせ、颯爽とステージへと向かう。
代表挨拶ということは入学試験を一番で通過したことになる。
しかし悠貴にはそんなことは関係ないらしい。
悠貴はその女の子に見惚れていた。
眠気など一瞬で吹っ飛んでいた。
―――
最初のコメントを投稿しよう!