~変人~

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学園のホールの中は在校生と新入生で埋め尽くされていた。 一つの学年に約千人の生徒がいる。 つまり四年制のこの学園には約四千人の生徒が居ることになる。 そんな中で入学式がゆっくりと進んでいく。 ステージ上には“新堂学園入学式”と大きく掲げられていた。 …すっげぇ……なんなんだこりゃっ…? 悠貴は見上げながら驚愕していた。 天井が高い、床から30メートルはある。 白と黒だけで統一されたホールの中は高級感で溢れていた。 入学式は校歌斉唱と学園長挨拶と順調に進み、終盤に差し掛かっていた。 眠い…帰ったら寝よ… 「新入生代表挨拶、桐生紗耶【きりゅうさや】」 「はい!」 悠貴が心の中でそんなことを考えていると、悠貴と同じクラスの女の子が可愛いらしい声をあげる。 美しい黒髪を靡かせ、颯爽とステージへと向かう。 代表挨拶ということは入学試験を一番で通過したことになる。 しかし悠貴にはそんなことは関係ないらしい。 悠貴はその女の子に見惚れていた。 眠気など一瞬で吹っ飛んでいた。 ―――
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