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葵「じゃあ今からの質問にも真面目に答えてくださいね。」
沖「……まぁ、質問の内容によりますけどね。」
問われる内容がすでに分かっているのだろうか
いつもは飄々としているこの人が、今はどこか憂鬱そうな面もちで隣を歩いている
沖「……………。」
葵「……………。」
ザッザッザッザッ ジャリジャリ
沖「……………。」
葵「……………。」
あの‥
なんか気まずいんですけど~!?
なにこの時間?!
何なのこのイタい沈黙は!!!
質問するタイミング見失っちゃったよこの野郎!!
いや、真面目にしてって言ったのはあたしだけどさ…
まさかここまで喋らなくなるとは思わなかったよ
てか今まで沖田さんとこんな風になったこと無かったな~
長い沈黙が痛くて少し明るいトーンで話しかけてみる
葵「あのですね、さっきの話しなんですけど‥」
沖「なんで僕が美智子さんに嫌われるようなことをするのか…でしょう?それもわざとね。」
葵「あ、はい‥なんで」
沖「分かりやすいんですよ貴女は。単純馬鹿ですからね」
葵「さいですか‥。」
途中で遮られたうえに考えていたことまで当てられ、拍子抜けしてしまう
しかもナチュラルに馬鹿扱いされたし
でも、そんなことは気にせずに喋り続ける沖田さん
表情とは反対に語りかけるように柔らかい喋りだ
沖「‥僕はね葵さん」
葵「はい」
沖「美智子さんに好きになってはもらえないんです。」
葵「……え‥?」
沖「どんなに頑張っても、どれだけアプローチしてもね…あの人の目には留まらないんです。この先ずっとね」
葵「ど‥して…ですか?」
いきなりの衝撃的な発言に言葉が出てこない
やっとのことで絞り出しても喉が枯れたみたいにカスカスだ
なのに…どうして貴方は笑っていられるの?
ずっとみっちゃんが大好きで、誰よりも彼女を愛してて一番悲しいはずなのに‥
どうして諦めた風に笑えるの?
答えを求めるように見つめても笑ってごまかして答えてくれない
貴方がわからないよ、沖田さん
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