春望~国破れて山河在り~

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妻と子が先に長安を発ってから、子美は霊武の粛宗の元へ向かっていた。 しかしその途中、都長安を襲った安禄山の賊軍達に出くわす。 そうして長安に連れ戻され、捕らわれの身となった。 「……」 幾歳月が過ぎたことか。 これからどうなってしまうのか。 妻に会いたい。子供達に会いたい。まだ幼い娘はどうしているだろうか。憐れでならない。 子美は少し前に家族から届いた手紙を胸にそっとしまった。 何度も何度も読んだ手紙。すでにぼろぼろで、そんな手紙が傷ついてしまわないようそっと胸にしまう。 そうして子美は深呼吸し、長い時を家族と暮らした長安の町を見渡す。
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