覇王の使命

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「成果は期待以上だった。しかし長き戦いの末、冥王を追い詰めはしたものの、倒すまでには至らなかったのだ。それほどまでに冥王の力と執念は凄まじいものだった」 「まぁ、そうなってくるわな……」  もしその場で冥王を倒せていたのなら、コイツらがオレに力を与えることなどしなかっただろう。そもそも契約すらする理由がない。 「つまり、冥王はまだ生きていて、次はオレが戦わなきゃならないっていうベタな展開か」  誰も言葉を発しない。ただ神妙な面持ちで押し黙るだけだ。無言は肯定ってことか。 「まぁいいさ。それより気になるのは、何故オレ……というより、千年も後になった今なのかってことだ。その間、冥王は何をしていたんだ?」  アルスとの戦いで傷を負ったとしても、それを治すのに千年もかかるはずがない。人外の力を得たと言ってもアルスは元は普通の人間。オレがそうであるように、歳も取るし、寿命で死ぬ。彼がいなくなれば敵はいないも同然だろう。 「封印されていたのですよ」 「封印?」  口を開いたのは、ルナ。 「先程イフリートが話した通り、アルス様は冥王を追い詰めたものの、倒し切ることはできませんでした。そこでアルス様が行ったのが、封印魔法です。御自身の命を懸けて」  ……命を懸けた、封印魔法……。  
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